オオカミは、慌てて立ち上がり

赤いスカーフを首に巻いた子ブタさんに声をかけました。

 

「やあ、子ブタさんこんにちは!

 勝手にお庭に入ってしまってごめんよ。

 実は小さな黄色いチョウがね・・」

 

そう言いながら窓の方へ近づいていきました。

子ブタさんは、オオカミの話は聞こえていないようで、

ぶるぶる震えながら

 

「こっちへ来ないで!ボクを捕まえて食べようったって、

そうはいかないんだから!」

と言いました。

 

「とんでもない!捕まえて食べようなんて。ぼくはただ・・」

オオカミはもう一歩窓の方へ近づいて、

さっきより少し大きな声で言いました。

子ブタさんは「来ないでってば!」と叫ぶと、

オオカミの目の前で窓をぴしゃりと閉めました。

窓を閉めた勢いで舞い上がったワラの切れ端が、

オオカミの鼻先に・・・

ハ、ハ、ハーーーックションッ!!!!!!

オオカミの、大きなくしゃみで、子ブタのワラの家は

ほとんど全部吹き飛んでしまいました。

花壇のスミレの花も吹き飛んでしまいました。

 

「助けてーーーーーーー!!!!!!!!」

 

逃げいていく子ブタさんの悲鳴で我に返ったオオカミは、

ほとんど無意識に後を追い、走り出しました。

 

ーー謝らなくちゃ!  謝って、おうちの修理を手伝わなきゃ!ーー

 

でも子ブタさんは転がるように逃げていってしまって

見失ってしまいました。

仕方なく、オオカミは森へ帰ることにしました。

 

とぼとぼと歩いてくるオオカミを見つけたカエルくんが

「オオカミくん、おかえり!大丈夫?」と声をかけました。

カエルくんは、オオカミのことが心配で、

ずっと帰りを待っていました。

 

つづく

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